シャングリラ 10周年

5月28日は弊社の創立記念日になり、今年はちょうど10回目、つまり10周年です。
本来であれば今年は東京オリンピックが開催されるはずだったことから、新国立競技場から程近い立地の弊社スタジオとしては期間中の閉鎖が余儀なくされることを見越して、10周年はどこかレストランでも借り切って盛大にパーっとお祝いでもしようかなどと呑気に考えていました、去年までは。
ところが、コロナウイルスが世界中に未曾有の脅威をもたらし、音楽事業が危機的状況に陥ったことの累が及び、弊社にとってはおめでたいはずの節目の年が、今や給付金やら助成金やらの申請の真っ最中。

思い返せば、弊社ができて１年も経たない頃に東日本大震災が発生し、日本中が苦難に直面する中、ボランティアなどを通して、なんとなく「音楽」には「力」があってそれなりに社会に貢献できるようなつもりになっていたのだけれど、それは思い上がりに過ぎなかったわけで、今回のコロナ禍では、人が「集まる」というごく当たり前の日常が送れない環境において、音楽家は無力な存在なのだと痛感せざるを得ませんでした。

先日、約ひと月半ぶりに緊急事態宣言が解除されたものの、当面の間は「新しい生活様式」に従う必要があるようなので、我々の主たる業務である録音現場においても、感染防止策を念頭に置いた様々な工夫をしながら業務を再開していくつもりでおります。
弊社にとっての１０周年記念パーティ（仮）はしばらくお預けですが、初心に戻って再スタートを切るつもりで、これまでに培って来た音楽制作のノウハウと、仕事を通じて知り合って来た方々とのご縁というかけがえのない財産を無駄にしないよう、全力で知恵を絞っていきたいと思っています。
これからも、シャングリラをどうぞよろしくお願いいたします。

2020年5月28日　宮野幸子

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